まずは使ってみよう

■ perlを使ってみる

◆ perlの準備を行う

UNIX では通常標準で perl がインストールされていますが、Windows 環境では perl を入手してインストールする必要があります。perl の準備に関する詳細は「perl を使う準備をする」を参照してください。

◆ perlスクリプトを作成する

まずはともかく、perl を使ってみましょう。UNIX では vi、Windows ではメモ帳などのテキストエディタで下記の内容を入力し、start1.pl というファイル名で保存してください。

start1.pl
print "Hello world!!\n";

Windows でうまく start1.pl というファイル名で保存できない場合は、[名前をつけて保存] ダイアログで "start1.pl" のように、ファイル名をダブルクォーテーション(")で囲んで保存してください。

◆ perlスクリプトを実行する

上記で作成したスクリプトを、コマンドライン から次のように実行してみてください。% は プロンプト を意味しています。プロンプトは入力せず、perl start1.pl の部分のみを入力してください。Windows の場合のプロンプトは C:\> などになります。

% perl start1.pl
Hello world!!
%

「Hello world!!」と表示されれば成功です。

◆ スクリプトの説明

print "..." は、「... の部分を書き出せ」という命令です。命令の後ろにはセミコロン(;)を書きます。perlスクリプトは、このような命令をいくつもくみあわせることで作成していきます。\n は改行を意味する 特殊文字 です。


ひとくちメモ

プログラミングにおいて拡張子は重要な意味を持ちます。Windows で作業を行うときには、[マイコンピュータ]-[表示(V)]-[フォルダオプション(O)...]-[表示] で [登録されているファイルの拡張子は表示しない] のチェックをオフにして、拡張子を常に表示するモードで作業することをおすすめします。(OS によりメニューの位置は若干異なります。)

■ 簡単な計算を行ってみる

◆ 簡単な計算

perl に簡単な計算をやってもらいましょう。次の内容を、start2.pl というファイル名で保存してください。

start2.pl
$a = 8;
$b = 5;
$c = $a + $b;
print "c = $c\n";

これを実行すると、次のようになります。

% perl start2.pl
c = 13
%
◆ スクリプトの説明

8+5 という簡単な計算を行い、その結果を表示します。$a = 8; は「$a は 8 と等しい」という意味ではなく、「$a という変数に値 8 を代入する」という意味になります。同様に、$c = $a + $b; は、「$c という変数に $a の値と $c の値を合計したものを代入する」という意味になります。print "c = $c\n"; は $c の値を表示し、改行します。

◆ 演算子のいろいろ

加算(+)の他にも、減算(-)、かけ算(*)、割り算(/)、剰余算(%)、べき乗(**)など、いろいろな演算子があります。演算子の詳細は「算術演算子」を参照してください。


ひとくちメモ

かけ算は 5 × 3 ではなく 5 * 3、わり算は 5 ÷ 3 ではなく 5 / 3 とします。5 % 3 は「5 を 3 で割った余り」を意味するので注意してください。通常の算数と同様、5 + 2 * 3 は (5 + 2) * 3 ではなく 5 + (2 * 3) と解釈されます。分りやすさのためにも明示的に括弧を用いて、$c = 5 + (2 * 3); とするのがオススメです。

■ 変数を用いる

◆ 変数を用いる

perlの変数は $ や @ や % で始まる名前を持ちます。

start3.pl
$a = 5;
$my_name = "田中";
$myname = "鈴木";  # 小文字の名前
$MYNAME = "山田";  # 大文字の名前
$MyName = "佐藤";  # 混在した名前

print "a = $a\n";
print "my_name = $my_name\n";
print "myname = $myname\n";   # 大文字・小文字は
print "MYNAME = $MYNAME\n";   # 別の文字として扱われるので、
print "MyName = $MyName\n";   # すべて別の変数となる

これを実行すると次のように表示されます。

% perl start3.pl
a = 5
my_name = 田中
myname = 鈴木
MYNAME = 山田
MyName = 佐藤
◆ 変数とは

$a や $aaa などを 変数 と呼びます。値を記憶しておくメモリ領域です。先頭のドルマーク($)はそれが スカラー変数 であることを示しています。$ の他にも @(配列)、%(連想配列)などがあります。(→「型のいろいろ」)

◆ 変数名に使用できる文字

変数名には、使用できる文字は半角の英数文字とアンダーバー(_)のみ、先頭の文字は数字であってはならない、大文字と小文字は別の文字として扱われるなどの規則があります。

◆ 数値と文字列

perl では、数値と文字列の明確な区別はありません。時と場合によって、数値として解釈されたり、文字列として解釈されたりします。

■ コメントを書く(#)

◆ コメントを書く

Perl でコメントを書くにはシャープ(#)記号を用います。シャープ記号(#)から行末までが コメント注釈)と見なされます。コメントにはプログラムの補足説明などを記述しておきます。

start4.pl
#================================================
# 簡単な計算を行ってみます
#================================================
$a = 8;           # $a に 8 を代入します
$b = 5;           # $b に 5 を代入します
$c = $a + $b;     # $c に $a と $b の合計を代入します
print "c = $c\n"; # $c の値を表示します

ただし、ファイルの先頭の #!/usr/local/bin/perl などの記述はコメントではなく、重要な意味を持ちます。(→「スクリプトを自己起動方式にする」)

◆ コメントアウト

スクリプト行の先頭に # を追記して、スクリプトが実行されないようにすることを コメントアウト と呼びます。

$a = 8;
$b = 5;
$c = $a + $b;
# print "c = $c\n";    ← この行は実行されません
◆ 複数行をまとめてコメントアウトする

複数行を一度にコメントアウトしたい場合、各行の先頭に # を記述してもよいのですが、面倒な場合は、コメントアウトしたい部分の前後を if (0) { ... } で囲むと、その部分が実行されなくなります。

if (0) {
$a = 8;
$b = 5;
$c = $a + $b;
print "c = $c\n";
}

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