とほほのRHEL 10入門

目次

RHEL 10とは

リリースノート

変更点の詳細は下記を参照してください。

ソフトウェアバージョン

下記のモジュールなどがアップデートされています。

--- Kernel ---
Kernel     5.14 → 6.12
--- Language ---
Pythoon    3.9 → 3.12
Ruby       3.0 → 3.3
Node.js    16 → 22
Perl       5.32 → 5.40
PHP        8.0 → 8.3
Rust       1.84 → 1.84
Go         1.23 → 1.23
OpenJDK    21 → 21
GCC        11.5 → 14.2
glibc      2.34 → 2.39
--- Version Control System ---
Git        2.* → 2.47
Subversion 1.14 → 1.14
--- Web Server ---
Apache     2.4.* → 2.4.*
Nginx      1.20 → 1.26
--- Database ---
MariaDB    10.5 → 10.11
MySQL      8.0 → 8.4
PostgreSQL 13 → 16
--- Cache ---
Memcached  1.6.9 → 1.6.23
Redis      6.2 → Valkey 8.0
Squid      5.5 → 6.10
Varnish    6.6 → 7.6
--- Security ---
OpenSSL    3.2.2 → 3.2.2
OpenSSH    8.7p1 → 9.9p1

RHEL 9 から RHEL 10 の主な変更点

対応CPU

x86 の 32ビットアーキテクチャ CPU のサポートが終了し、Intel/AMD 系では x86-64-v3 以降の CPU が必須となりました。

ベースOS

ベースOS が Fedora 34 から Fedora 40 になりました。

ブート可能なコンテナイメージ

OS ブート可能なコンテナイメージを作成できるようになりました。OS を含むコンテナイメージを作成することができ、仮想サーバやベアメタルサーバにコンテナイメージを配布し、ブートすることができます。RHEL 9.6 でも利用可能です。

CLI から AI エージェントを利用可能に

「Red Hat Enterprise Linux Lightspeed」を用いて、コマンドラインから AI エージェントを利用することが可能となりました。

耐量子暗号を用いた暗号

量子コンピュータでも破ることができないと言われている次世代の暗号技術、耐量子計算機暗号(PQC:Post-Quantum Cryptography)をサポートするライブラリやツール群が提供されました。今後は RSA や 楕円曲線暗号(ECC) を置き換えていくものになるだろうと言われています。

RHEL 7 コンテナのサポート終了

RHEL 10 上で RHEL 7 コンテナを実行することがサポート対象外となりました。

Radis から Valkey への移行

Redis がライセンスを BSD 3条項から制限のきつい SSPLv1/RSALv2 に変更したため、Redis を削除し、代わりに、ライセンス変更前の Redis バージョンからフォークした Valkey に変更しました。

ISC DHCP から Kea DHCP への移行

ISC DHCP が開発を停止してしまったため、代わりに、Kea DHCP に変更しました。