Linuxディストリビューション
Linuxディストリビューションとは
狭義の Linux は Linux カーネルを意味し、コマンド、エディタ、プログラミング言語などは含まれていません。Linux カーネルの上に、コマンド、エディタ、プログラミング言語などをまとめて提供しているものを Linuxディストリビューション と呼びます。
主なディストリビューション
現在広く使用されているディストリビューションは、新しいもの好きの Debian/Ubuntu系 と、安定性重視の Fedora/RHEL系 に大別されます。特に重要なディストリビューションは Ubuntu と RHEL です。
Debian/Ubuntu系
パッケージ管理フォーマットして deb、パッケージ管理システムとして dpkg / apt を使用するのが特徴です。
Debian
1993年に Debian Project がリリースしたものがはじまりです。Ubuntu のベースとなりました。
Ubuntu
2004年に Ubuntu Project が Debian をベースにリリースしたものが始まりです。20.04, 22.04, 24.04 など、偶数.04 のバージョンは LTS(Long Term Support)版と呼ばれ、標準5年+拡張セキュリティメンテナンス5~7年のサポートを受けることができます。
Fedora/RHEL系
パッケージ管理フォーマットとして RPM、パッケージ管理システムとして yum / dnf を使用するのが特徴です。
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)
Red Hat社がリリースする Red Hat Enterprise Linux です。Debian/Ubuntu 系と比較して企業向けに安定性や有償サポートを売りとしています。以前は利用には有償サブスクリプションが必要でしたが、現在では、個人開発用途・個人プロダクション用途に限って16台以下などの制限付きで無償利用することも可能となりました。
Fedora
Red Hat社が支援する Fedora Project がリリースするディストリビューションです。RHEL よりも少し先進のパッケージを取り込み、RHEL の先行リリース・検証・実験的な特色を含んでいます。
CentOS / CentOS Stream
以前の CentOS は RHEL とほぼ同じ機能を提供する無償版 RHEL クローンOS としてリリースされていました。開発を CentOS で行い、商用サービスを有償サポート付きの RHEL で構築する例も多かったですが、2020年に方向転換し、Fedora と RHEL の中間に位置する「すこしだけ先行するアップストリームOS」とし、名称も CentOS から CentOS Stream に変更されました。現在では RHELクローンOS としては、AlmaLinux や Rockey Linux が利用されています。
AlmaLinux
CentOS の方向転換を期に、無償版 RHEL クローン OS として名乗りを上げたもののひとつです。CloudLinux 社が提供していましたが、現在は The AlmaLinux OS Foundation が開発・配布を行っています。
Rocky Linux
CentOS の方向転換を期に、無償版 RHEL クローン OS として名乗りを上げたもののひとつです。Rocky Enterprise Software Foundation が提供しています。Google トレンドを見てみると、日本では AlmaLinux が若干優位、全世界では Rocky Linux が若干優位のようですが、大きな差は開いていません。
Amazon Linux
Amazon の AWS で提供される Linux ディストリビューションです。当初は RHEL6/CentOS6 や RHEL7/CentOS7 をベースとしていましたが、Amazon Linux 2023 からは Fedora をベースとした AWS 独自のディストリビューションとなっています。